宇宙へのロマン⑦ ブラックホール その2
今回は『ブラックホール その2』です!
超・大質量ブラッ クホール
我々天の川銀河の中心部にも太陽質量の約 400 万倍もの超大質量ブラックホール(いて座 A*)があり、多くの銀河の中心には数百万から数十億倍の太陽質量をもつ超大質量ブラッ クホールがあることがわかっています。
また天の川銀河の中だけでも 1,000 万~10 億個の ブラックホールがあるとされています。しかし実際に見つけるのは容易ではありません。 それはあまりの重力のため光でさえも脱出できない天体なので肉眼で観測することができ ないからです。
ではどうやって見つけるのか?それはブラックホールが X 線やγ(ガンマ) 線などの電磁波を発することが知られているので、そのような天体を探しその質量を推定 して発見しています。
ブラックホールの特異な性質、重力の特異点
光でさえ脱出することが
できない天体
ブラックホールは極めて高密度で強い重力のために光でさえ脱出することができない天体です。その光でも脱出できない境界線を“事象の地平面(イベントホライズン)”と呼び、そ こより先の情報を我々は知り得ることができません。
またブラックホールの中心部は“重力 の特異点”と呼ばれ、重力場が無限大になるような場所です。特異点は物理の法則が通用しない領域です。空間の歪みが半端ないですし、時間という概念さえもよくわかりません。
シュバルツシルト半径と太陽の例
現実的には不可能ですが、理論的にもし地球の大きさをその質量のまま半径 8.8mmほどの 球体にできたら、それがブラックホールになれるレベルだそうです。
どれだけ重いか想像で きますでしょうか?
もし太陽をブラックホールにした場合は半径 2.9kmの球体(質量は同 じ)になります。これを“シュバルツシルト半径”と言い 1916 年に発表されました。
ただ実際には太陽質量の 30 倍以上の恒星でないとブラックホールにはなれません。
どうやってブラックホールが誕生するのか?
それは太陽の 30 倍以上の大質量の恒星が、その一生を終えるときに超新星爆発を起こし、 中心部が自己重力に耐えられず極限まで収縮してブラックホールになります。
超高密度な最終天体、ブラックホール
ブラックホ ールの中でも最大級のものは直径が太陽系よりもはるかに大きいといいます。
想像するだ けでぞーっとします。
参考までに太陽質量の 8 倍以下の恒星は白色矮星(はくしょくわい せい)になり、もう少し質量の重い恒星は中性子星になります。
共にブラックホールに次ぐ 高密度の天体です。恒星の大部分(97%)は白色矮星になるようです。
宇宙の核心への探求
前に出ました“重力波”の研究はブラックホールの核心に迫ることができると言われていま す。また宇宙の誕生(ビッグバン)直後を観ることもできると考えられています。
アインシ ュタインの一般相対性理論によれば、
質量をもった物体が存在すると、それだけで時空に歪 みができます。さらにその物体が運動すると、この時空の歪みが光速で伝わってきます。
これが重力波の正体です。これから重力波のさらなる研究が期待されますね。
編集者の感想
光も閉じ込めてしまうほどの重力を持つ「ブラックホール」。ブラックホールの強力な重力で、近くにある物体や光さえも吸い込んでしまう…。
その力は想像を絶するものですね。中に入ってしまったものは戻ってくることができないなんて、とても驚きました。
ブラックホールの研究で、宇宙の不思議な謎を解く手がかりが見つかるかもしれないなんて、ワクワクします!
次回は『国立天文台(NAOJ)の望遠鏡』についてです、お楽しみに。
子供の頃の夢は宇宙飛行士でした
〜宇宙の神秘に憧れて半世紀〜
アフラック募集代理店(有)ハピイ横山督 宇宙を語る
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人に話したくなる『教養としての“天体”』について、わかりやすくをモットーに紹介したいと思います。また、天体だけではなく、店舗の写真やミニイベント、ここ橋本(相模原市)のトピック(話題)等も交えて紹介できればと思います。